開けてー!すみませんー!
 早朝3時。気温はおそらく氷点下。Uyuniの街にはもちろん誰一人として歩いていない。
 本来なら、朝日ツアーに出かけているはず。
 それがなんでか私は、ホテルの外で叫んでいた。

ツアーに出発する

 前日は少し早めに寝て、2時に起床。身支度を整えて出発。
 予め、3時のツアーに行くという話をホステルにしてあるので、フロント奥で仮眠をとっていたお兄さんが時間に出てきてくれた。
 Onkel Innの入り口は2階。まずそこのドアを開けてもらって、1階建物のドアも開けてもらう。そして二人で敷地の外へ。その入り口にも門があってそこの鍵も開けてもらう。
 「早朝にごめんなさい。本当にありがとう。行ってきます。」
 お兄さんにお礼を言い、ツアーの出発場所に向かう。
 集合場所はホステルの正面。約束の時間の15分前。少し張り切りすぎたかな。ツアーっぽい車も誰もいない。
 
 10分前

 5分前

 5分すぎた

 ひとりぼっち。

 誰もいないUyuniの街にはコントとかで見かけるあの回転草が転がっている。
 そして、おそらく0℃は下回っているであろう極寒な気温。

 寒い、暗い、一人、不安。
 車も、ガイドも、ツアーメンバーも姿を表さない。
 simカードを持っていないので誰に電話することもできない。

 いや、もしかしたら10分、15分のずれはUyuniでは常識なのかもしれない。
 あと10分待ってみよう。

 10分後 ひとりぼっち

 寒さと不安が限界で宿に戻ることにした。

ホステルを出発してから30分。宿に戻る。

 まずは敷地に入るための門。
 これは昨日のうちに外からの開け方を習っていたので開けて入ることができた。
 問題はここから。

 1階の建物の入り口。
 ダメ元でドアを引いてみる。そりゃ、開かないよね。
 ドアをガチャガチャ鳴らす。気づいてくれないかな。きっと寝てるよな。
 
 このまま陽が登るまでここで待機か。その前に凍死しそう。
 どうしようかと思っていたら1階に人の気配が。
 ホステルの建物の1階は実は駅。誰かいるのかも!と淡い期待も空く、気のせいだった。
 大声出すのは抵抗があったけど、控えめに叫びながらドアをガチャガチャし続ける。
 
 お兄さんが降りてきてくれた!奇跡だ!
 真っ暗だったけど、眠そう。本当にごめんなさい。

 ドアを開けてもらい、無事に中に入ることができた。
 お兄さんにとにかく謝り、お礼をして部屋に戻る。
 30分ほど外に出ていただけなのに、身体が心から冷えている。暖かいはずの部屋なのにガチガチ震えながら布団に入る。

 張り切って2時に起きて、防寒着を着て、カメラと三脚まで持って、お兄さんに迷惑かけて。
 何やってるんだろう。どうなってるんだ。

原因は私だった

 朝になり、朝食を食べに行く。
 卵焼きを作ってくれたのは、鍵を開けてくれたお兄さん。
 「朝は本当にごめんなさい。行くはずのツアーがなかったの。」
 ニコニコしてくれたけど、心から申し訳なくて辛い。

 ツアー会社に確認をしに行く。
 私が日時を間違えてしまったのか。何かあったのか。

 「あら!あなた!探してたのよ!今日の朝のツアー、メンバーが揃わなくて急遽中止になったの。昨日ホステルにお知らせに行ったのにあなた泊まっていないって言われて。どこに行ってしまったのかずっと探していたのよ!」

 ツアーの予約時、泊まっている宿をおばちゃんに伝えていた。
 でもそのホステルはOnkel Inn がその日だけ取れなかったため、1泊だけさせてもらったホステル。ツアーに出かける直前はOnkel Innに移動していたので、おばちゃんには伝えられずにいた。

 おばちゃんに謝り、Onkel Innに泊まっていることを改めて伝える。
 いろんな人に迷惑かけた。反省。

 ツアーは明日に延期となり、また3時少し前にホステルのドアを開けてもらった。今度こそ大丈夫だよね。。かなり気まずい。
 
 車もガイドも、ツアーメンバーもすでに集合していた。