Chile の南端にある街Punta Arenas。
そもそもArgentinaの氷河に行きたくて中継地として立ち寄るだけの予定だった街だけど、せっかく日本からかなり離れた、南極に近い場所に行くなら、、としばらく滞在してみることにした。
時間をとって正解。これといった観光名所や見所はないものの、雰囲気や空気、食べ物など魅力がたくさん詰まった、居心地の良い街だった。
国名通り
ホステルでどこを散歩しようか地図を眺めていると宿のすぐ裏の通りの名前がいろいろな国名になっていることに気づいた。
三脚とカメラを持って歩く。Punta Arenasに着いてから思っていたことだけどこの日も風が強い。
当たり前だけど地図のとおり、面白いくらい国名の通りばかりのエリア。残念ながらJapanはなかった。追い風を受けながらも、だんだん国名をコンプリートしたくなってきて撮影に夢中になる。
せっかく三脚をもっているのだからとカメラをセットする。
今思えば、いや、誰もがアホだと思うだろうけど
強風の中、風が弱くなったタイミングを見計って三脚にカメラを取り付ける。
そして一瞬。
たった一瞬カメラから手を離してしまった瞬間、再び来た突風によって三脚ごと倒されたカメラはクシャっと紙コップが潰れるような音でレンズから道路に叩きつけられた。
タイムマシンかタイム風呂敷がこれほどまで欲しいと思ったことはない。
数秒前に戻ってアホな自分に注意したい。
レンズ部分が完全に割れている。ボディはレンズが犠牲を払ってくれたおかげで奇跡的に無事だった。
相棒を失った悲しみ。あんなにはしゃいで撮影していたのに、絶望に近い感情になってしまった。
ホステルでしばらく呆然とし、レンズを手に入れられないかと検索する。
レンズを買いに行く
宿から徒歩20分のところにショッピングモールがあることが判明。一か八か行ってみることにした。
本当なら今頃Punta Arenasをのんびり散歩してたのに。と後悔と悲しみ、情けなさでいっぱいになりながらショッピングモールまでの長い道のりを歩く。
建物に入ると、日本にもあるようなショッピングモールのような雰囲気。免税店、フードコートなどがある。
免税店にはNikonやCanonのカメラが並んでいるところもあったり、Nikon,Canonそれぞれの専門店もあった。
私が探しているのはOlympusのレンズ。家電が売っているお店に片っ端から聞きまくる。
Niconの店員さんに「Olympusを売っているお店はこの辺にはないよ」と教えていただき、探索終了。
カメラは無いまま、Goproとスマホでこの後の旅行をやっていこうかとも考えたけど旅の特大イベントが満載で、それはできない。
Olympusを諦め、他のカメラを一通り見たけど気に入る形がなかった。
「どうしたらいいんだ。」と再び後悔の念が強くなる。
昼休憩
そうこうしているうちにお店が閉まりだした。時計はまだ1時。
ここChileではお店だろうとお昼休みをしっかりと取る。良いことだと思うけど。今は勘弁してよ。
フードコートはやっていたのでランチにすることにした。
2時間のお昼休みがこれほど長いと感じたことはない。食べ終わっても3時まではどうしてもお店が開くわけでもなく。暗いお店のショーウィンドウを目を凝らして覗いては商品を見て、スマホで情報を検索。
どれも日本では古い型で値段も高い。
もう、心から買いたくない。この場で大金を使うわけには行かない。
相棒が壊れてしまった悲しさ、自分の軽率な行動、想定外の大きな出費、でもどれかは手に入れなければならない状況、楽しむはずだった今日という1日が潰れてしまったこと。
マイナスな感情に押し潰されそうだった。友人にカメラが壊れたことをlineで愚痴る。たまたま時間が合って返信があり、話を聞いてくれた。
聞いてくれるだけで心が軽くなる。
再開店
3時になり、お店が開き始めたので、2時間悩んだ末に決めたカメラのお店に向かう。
ここでの買い物はショーケースに商品が入っていて、店員さんに「これ見せてください」と言うスタイル。英語で対応してくれた。
手にとってみると、分かってはいたがOLUMPUSとは全く違う重さ、大きさ、操作方法、ボタン。
いつまでもくよくよしているわけにも行かず、「これでお願いします。」と購入。
カードが使えない
クレジットカードを差し出す。「このカード使えないみたいだよ。」
Canada、Mexicoで別のカードがそうだったので無難な方を出したのに。
カードにセキュリティガードがかかってしまっていた。
これ以上のショックはもういいよ。悲しみにくれつつこれならどうかとCash Passportを差し出す。よかった。使えた。
けど親に連絡してまた入金してもらわなきゃならない。情けないったらない。
新しい相棒
新しくお世話になる相棒は重いし大きいし、しばらく使い方に慣れずイライラ。でもちゃんと操作するととても綺麗な写真を撮ってくれる。
もう使えない相棒はただの荷物になってしまった。(この後、電池以外を日本に送った)
不幸中の幸いでこれまでの撮影データは無事残っていたし、レンズが犠牲を払い、ボディを守ってくれていたので、日本に帰ってきた今はレンズだけ新しく購入して使えている。Olympusももっと広く海外進出して欲しいと切に願う。
こういう悲劇は一瞬のうちに、ちょっと気を抜いた時に起こる。完全に自分がアホだっただけだけど、旅が嫌な思い出として残り、出費も大きかった。
それから、旅中の悲しみみたいのは、一人旅だと結構しんどいってことも分かった。事実を自分一人だけで受け止めなきゃならない。
奇跡的にタイミングが合って話を聞いてくれた友人、ありがとう。
ショッピングモール ZONA FRANCA について
Zona Francaは悲劇がなければすごく楽しめるショッピングモール。カメラはCanonかNikonだけだけど、Goproなんかも売ってるし結構いろいろ手に入る。。
周辺には自動車販売店や免税店、電気屋さん、スーパーマーケット、アイススケートリンクなどの施設が並んでいる。
私が泊まった宿からはギリギリ歩いて行ける距離だったけど、街中に宿をとっている人はタクシーかバスの利用がおすすめ。地元の人に道を尋ねる際は、ZONA FRANCA(ゾナフランカ)で通じる。
ZONA FRANCA
MANZANA 18 ZONA FRANCA, Punta Arenas, Magallanes y la Antártica Chilena
Open;7days 10:00-21:00
無料のトイレ(トイレットペーパー、便座有)
無料WIFI有
※料金;2019年11月 日本円換算;2019年11月
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